固定残業制はいい制度なの?
残業しなければお得?
固定残業はやめとけって言われるけどなぜ?
このような疑問を解決します。
結論からいうと固定残業制の会社で「残業しない」や「想定されている残業時間以下におさえる」なんてことほぼ不可能なので、固定残業制の会社はオススメしません。
ただ、人によっては固定残業制の会社が性に合っている、という人もいるでしょう。
この記事を通じて、固定残業制を取り入れることによる会社側のメリットや労働者側のデメリットに関する知識が得られると思います。
どうか最後までお付き合いください。
固定残業代は割りに合わないからやめとくべき理由と実体験
一般的には固定残業制を取り入れている企業にはブラックが多いと言われています。
なぜそのように言われるのでしょうか。
それは、以下の理由が考えられるからです。
・給与計算の負担を軽減したい
・給与形態に関する事項が契約書に明示されていない
・みなし残業ありきの給与形態で、その時間分の残業が常態化している
(必要のない残業をさせる)
・基本給が同業他社よりも低い
ブラック企業の大半は想定していた残業時間を超過しても固定残業代分しか支払わないことが多く、労働者とのトラブルが後を絶ちません。
実体験と共に詳しく2つだけ
解説していきます。
みなし残業の実体験
私は過去にみなし残業の会社で働いていたことがあります。
世間でも名の知れた運送会社で1995年から約8年間働いていました。
組織としては、大きく営業部と業務部の2つに分かれていて、私は業務部の所属でした。
当時の月給は残業代込みで48万円だったと記憶しています。
勤務時間は8:00~22:00で14時間の長時間勤務でしたので、今のご時世なら完全にアウトですね。
その時の心身はどうだったか
これは、あくまで私個人の感覚です。
当時23歳だった私にとって、48万円という金額はとても魅力的にみえました。
私は高校時代はラグビー部で体力だけは自信がありましから、仕事にも慣れた頃には、むしろ「いい職場だな」くらいに思ってました。
しかし、勤続年数が長くなると何年働いていても、給料が一円も上がらないとか、自分が負う責任だけは大きくなっていることに疑問を感じるようになりました。
固定残業代が当たり前の会社がやめとけと言われることの真実
実際に何故「やめとけ」と言われるのか真実とは以下の通りです。
それぞれ解説していきます。
残業が多すぎるから定額にしてる
固定残業代を取り入れている企業は、そもそも定時では終わらないことを前提に、業務を行っているのが特徴です。
労働者の人数が少なければ、給与計算もそれほど苦にならないかもしれませんが、人数が増えるほど企業にとっては給与計算が面倒になるだけです。
固定残業にしてしまえばいいだろうと、安易な考えになり、頑張っても評価されないために、それに伴い人事制度が機能しにくくなります。
労働時間と対価が合わない
労働者側の問題として、自分が毎月何時間残業しているのかを把握できません。
平時の業務が「残業ありき」なので、残業に対する感覚がマヒしていきます。
そして、いつの間にか固定残業分を超過しても、それに気づかずに働いていることも多いです。
これでは、結果として「労働時間と対価」が合わなくなります。
イヤな言い方ですが、それこそ「企業側の思う壺」だとも言えるでしょう。
定時が存在しない
いつの間にか「定時帰宅」という意識が薄れてしまうのも、固定残業制のもたらす弊害です。
固定残業とはいっても、毎日必ず残業しなければいけない、というわけではありません。
仕事が早く終われば、定時で帰宅してもいいんです。
ですが、同調圧力もありそんな簡単には帰れないと察してしまいますよね。
もし帰って場合その場は笑顔でいても、その人のいないところで、陰口や嫌がらせをされるでしょう。
なので、定時はあってないようなものになりやすいです。
基本ブラック
すべての企業がそうだとは言えませんが、やはり固定残業はブラック企業が圧倒的に多いと言えます。
・法的な知識を労働者が持っていない
・同調圧力にる職場の雰囲気
・改善出来ない会社
他にも色々な要因はありますが、最終的にはブラック企業に多くの利益をもたらしていることを労働者が理解しなければなりません。
【やめとけ】固定残業代が普通の会社に勤めてる場合は?
すでに固定残業代の会社に勤めてる場合には、労働力の価値をあげる努力が必要です。
給料を上げてもらう
雇用側と労働者の立場は「対等」だということです。
勘違いされている方もいると思いますが、労働者の立場は企業(雇用側)より下である、なんてことはありません。
今の職場で働き続けるならば、労働者の権利として、賃上げ交渉も手段の一つです。
しかし、個人での交渉は非常に難しいので、その会社に労働組合があれば労働組合に加入するといいでしょう。
ちなみに。かつて私が働いていた運送会社には労働組合はなく、賃上げ交渉は不可能でした。
福利厚生やボーナスを交渉
これも、個人で行うには非常にハードルが高いので、労働組合を通じて交渉するのが良いです。
なるべく早く帰ることで時給単価そのものを上げることも考えましょう。
諦めて働く
たとえ不本意だとしても、現状の環境を受け入れ定年まで働くのもありです。
慣れてくれば楽になりますし、高望みしないことで仕事のスキルや役職があがり、体力や時間に余裕ができます。
固定残業代が当たり前の会社を辞めとくべきだったと後悔したら
もし、今固定残業代の会社で働いている会社に勤めてて後悔してるなら以下のことを考えましょう。
それぞれ解説していきます
転職
転職することを選んだ場合、それまでの知識や経験を活かしましょう。
新しい職場が固定残業制だった場合は以下のことに注意してください。
・固定残業代を除いた基本給の額
・固定残業代の計算方法
・固定残業時間を超えた時間外労働に対する残業代の支給
2018年の1月に施行された職業安定法により、固定残業制を導入する会社には上記を明確にすることが義務付けられましたので、同じことを繰り返さないために確認してから就職しましょう。
それでも、労働者側の無知という隙を突いてくる企業が本当にあります。
自分の身を守るためにも十分注意しましょう。
私も何度か転職を経験しました。
未経験の全く新しい仕事を選んだこともあります。いずれの場合も、転職して良かったと心から思っています。
なので、固定残業制ではない職場を強くオススメしたいです。
退職
退職を選んで、一度仕事そのものから離れてみるのもいいのではないでしょうか。
疲れ切った心と体を思い切り休ませて、再び新たな仕事に臨むことも必要かと思います。
私もかつて半年ほど全く働かなかった時期がありました。
心身共に休めたので、その後はスッキリした気分で働くことができましたよ。
何もかも忘れて、徹底的に休んでみるのも、場合いによっては必要かもしれません。
固定残業代の会社がやめとけと言われる情報のまとめ
これまで、固定残業制がいかに企業側に多くのメリットをもたらすのか、ということを私の実体験を交えながら書いてみました。
法律や労働者の無知などの隙を突いて、労働者を不当に扱おうとする企業が後を絶たない現実があります。
・固定残業は割に合わない
・責任が大きくなる
・最初は魅力的
・長時間勤務が苦でなければあり
今後も働き方改革の名のもとに、私たちの環境は大きく変わっていくでしょう。
私たちも自分の身を守るために、知識をアップデートして騙されないようにしなければなりません。
個人的には残業などしなくても、十分な収入が得られることが一番大切なのではないかと思っています。
最後になりますが、現在の職場に不信感や疑問を感じたなら、迷うことなく職場環境を変えましょう。繰り返しますが、健康を害してからでは遅いのです。
一度きりの人生です。
決断するのは自分自身です。
先行き不透明な世の中ですが、この記事が少しでも貴方のお役に立てるのなら、とても幸いに思います。