この作品は、普通の生活をしていた人々が ドラッグによって人生がどんどん破滅していく様を描いた衝撃作となっています。
監督は映画「ブラック・スワン」で有名な ダーレン・アノロフスキー監督です。
イギリスの映画雑誌「エンパイア」では、 落ち込む陰鬱な映画ランキングで堂々の1位に選ばれる程の最強鬱映画です。
この記事ではこのような疑問を解決できます。
・あらすじや、キャストをおさらいしたい
・感想や評価が知りたい
ダーレン・アノロフスキー監督は、
「パプリカ」や「東京ゴッドファーザーズ」で有名な 今敏監督の強烈なファンで、
本作では今敏監督作品「パーフェクトブルー」のオマージュをするために 実写化権を購入したとのことです。
オマージュシーンは再現度が高いので、本作を見る際は是非探してみてくださいね!
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鬱映画「レクイエム・フォー・ドリーム」の評価点
90点/100
評価ポイント
・麻薬中毒者達の救いの無い結末
・ある種の教養映画
この作品は初めから終わりまで衝撃的です。
主役4人の人生がエンディングに向かうにつれどんどん崩壊していきます。
内容は落ち込む陰鬱な映画ランキング1位なので勿論ヘビーなのですが、
独特のカメラワークを使った心理描写や映像の美しい色合いなど
ダーレン・アノロフスキー監督らしさが出ており、 ヘビーなだけでなく
楽しめる部分もしっかりあります。
鬱映画「レクイエム・フォー・ドリーム」のネタバレ、あらすじの評価
あらすじ
古いアパートに住む孤独な未亡人サラは、ある日、大好きなTVのクイズ番組から出演依頼の電話を受けました。
思い出の赤いドレスを着て出演するために ダイエットを決意するのですが食事制限は上手くいきません。
そんな時に友人に紹介された開業医に ダイエットピルを処方してもらいます。
サラの一人息子ハリーは高校を卒業したものの定職に就かず、
親友のタイロンや恋人のマリオンと共にヘロインに溺れ、サラのテレビも質に入れてしまう程でした。
そんなある日、タイロンがハリーに ヘロイン密売の話を持ちかけます。
一時はそれぞれに人生がうまく回り始めたかに思えたのですが、 事態は悪化の一途を辿っていきます。
評価
主役4人の物語が平行に進んでいき、 それぞれが全く違う救いの無い結末を迎えます。
ヘロイン以外にも様々なドラッグが出てくるのですが、
使用する際のシーンがそれぞれ違い、ただ恐ろしい物と教えられるだけではなく、
どのドラッグを使用するとどの様な効果があり、どの様な中毒になるのか、
そしてその末路はどの様になるのかまでしっかり描かれており、恐怖を掻き立てられました。
鬱映画「レクイエム・フォー・ドリーム」のキャスト評価
本作の為にハリー役のジャレッド・レトさんは薬物中毒者を演じる為 13キロ減量し、
廃人と化してゆくサラを演じたエレン・バースティンさんは
アカデミー主演女優賞にもノミネートされたそうです。
主役の4人共本当に素晴らしい演技でした。
・ ハリー・ゴールドファーブ
ジャレッド・レトさん
代表作品「ダラス・バイヤーズ・クラブ」「スーサイド・スクワッド」
・ サラ・ゴールドファーブ
エレン・バースティンさん
代表作品「エクソシスト」「アリスの恋」
・ マリオン・シルヴァー
ジェニファー・コネリーさん
代表作品「ビューティフル・マインド」「ハルク」
・ タイロン・ラヴ
マーロン・ウェイアンズさん
代表作品「G.I.ジョー」「ネイキッド」
鬱映画「レクイエム・フォー・ドリーム」のBGMの評価
・ Lux Astern
クリント・マンセル
本作で最も印象に残るテーマ曲「 Lux Aeteruna」は
その後多くのアレンジがなされ、 映画の予告編にも多数流用されました。
中でも、映画「 ロード・オブ・ザ・リング/2つの塔」の予告編の為に
フルオーケストラと合唱団によってアレンジされた「 Requiem for a Tower」は知名度が高く、
ドラマ「 LIAR GAME」でも使用されています。
鬱映画「レクイエム・フォー・ドリーム」の試聴した感想とネタバレ
映画「レクイエム・フォー・ドリーム」を見た感想ですが、
ただのアンチドラッグ教養映画や鬱映画ではなく、
ダーレン・アノロフスキー監督らしさが全面に感じられるいい作品だなと感じました。
本作で個人的にグッと来たのが、サラが開業医にダイエットピルを貰い服用していくのですが、
本人は “医者に処方されたから安心”という固定概念に近い信用があり、
違和感は感じつつもダイエットピルが 依存性の高い覚醒剤とは思わず服用し続けます。
実家に帰って来たハリーはサラの 落ち着きの無さや歯ぎしりという異変に気付き、
ダイエットピルをやめさせようと説得するのですがサラは医者の方を信じ、ハリーの説得には応じなかった、
というシーンです。
そしてハリーの説得に応じなかったサラは、ダイエットピルの用法容量を制御することが出来なくなり、
クイズ番組に出演させてくれとテレビ局まで押し入ります。
結果、半ば強制的に精神病院に入院させられ、
電気ショックなどの 非人道的な治療を受けさせられ廃人と化してしまいます。
固定概念だけでは真実は見えて来ないし自身の身を守ることはできません、
だから自身に関与する事象は例え誰がどう言おうが、
どの様なものなのかを行動をする前にしっかり詳細まで理解すべきだと思いました。
映画の中だけの話じゃなく、私達の身近でも起こり得る話なので、サラの話はとても恐怖を感じました。
サラにフォーカスを当ててしまいましたが、他の3人がどうなったかというと、
ハリーはヘロイン中毒となり 注射痕から細菌感染し左腕切断、
恋人のマリオンは ヘロインと資金調達の為に体を売春しストリップショーに出て見世物になり、
親友のタイロンは 投獄され看守に人種差別を受け毎日毎日強制労働を強いられる、
というのがサラ以外の3人の結末になります。
“人生は選択の連続だ”という言葉がありますが、まさにそれですね。
個人的には、絶望せず欲に溺れず生きていればまだ希望はあったのではないか、と思いました。
鬱映画「レクイエム・フォー・ドリーム」の評価が高いと思うネタバレポイント
・人間の欲と脆さ
・ドラッグの恐ろしさ
一つずつ解説します。
登場人物がもれなく救いが無い鬱エンド
きっかけが何であれ、 依存が初期段階であればまだ自己コントロールが効くはずなんです。
しかし、ある程度まで依存してしまったら脳機能障害や、脳機能の低下という自身ではどうしようも無い状態になってしまいます。
主人公の4人とも、まだいつもの日常に戻れるチャンスはあったのに戻れなかったのは、
全員がドラッグが無いとダメだ、と思い込んでしまったからだと思います。
そのマインドがもれなく救いが無いなと感じると共に、
視聴者にそう思わせるダーレン・アノロフスキー監督の巧みな表現力にも感服させられました。
人間の欲と脆さ
主人公たちは自身の欲望に蝕まれかけていて、その欲がドラッグでブーストされ行き過ぎてしまい、
大切な物が見えなくなって壊れてしまったのかな、と感じました。
私達も人間なので、 絶対に欲は出て来ます。そして作品を見ての通り 人間の精神は脆いです。
ドラッグが無くたって、この話は他人事では無く、誰しもが欲に蝕まれる可能性は絶対にあります。
そうならない為にも、自身を愛する努力や自身を認める事、自己肯定感を意識する事はとても大切だと思いました。
ドラッグの恐ろしさ
ドラッグの恐ろしさをしっかり表してくれている この作品はある意味教養映画だと思います。
国柄もあるでしょうが 日本でのドラッグの認識は、「ダメ、絶対!」だけで、何がどうゆう作用でどうダメなのか?等の情報が少なく詳細説明が全くなされていません。
この作品の結末を見たら、 興味本位でドラッグを使用する人達は少なくなると思います。
個人的には、無知は自身にとってのデメリットだと考えているので、そういう点でもこの作品は素晴らしいと感じました。
鬱映画「レクイエム・フォー・ドリーム」のネタバレあらすじ、感想、評価情報まとめ
最後にもう一度レクイエム・フォー・ドリームのあらすじや感想、評価の情報をまとめると
・ドラッグの恐ろしさを学べる
・キャスト陣の名演
鬱映画ではありますが、色んな意味で見る価値はある作品だと思います。
メンタルが元気な時に是非、見てみてくださいね!