
なぜ「肌色」と、呼ばれなくなったの?
学校などで人を書くときに使っていた「肌色」。
今となっては、肌色という表記は使われておらず、別の言い方で呼ばれています。
この記事では、肌色を言い換えるようになった理由や別の言い方について、また歴史などを解説するので、知らない人にが周りにいたら、教えてあげてくださいね。
肌色から言い換えられて今はなんて呼ばれているか
肌色は言い換えられて名称で呼ばれているのでしょうか?
- うすだいだい
- ペールオレンジ
この二つが、肌色から言い換えられて呼ばれている色ですが、実は微妙に理由に違いがあります。
うすだいだい
まずは、うすだいだい色からみていきましょう。
だいだい色はオレンジ寄りの暖色なので、それを薄くした感じの色を肌色の代わりにしたのかなと思います。
代表的な会社として、「株式会社サクラクレパス」は、2000年に色鉛筆や絵の具の肌色の表記を「うすだいだい色」に変更しています。
また、うすだいだい色を英語で表すと「LightOrange」です。
ペールオレンジ
次にペールオレンジをみてみます。
ペールオレンジのペールは、薄いや淡いという意味が含まれています。
代表的な会社として、「ぺんてる株式会社」は、1999年の9月の生産分から、クレヨンや色鉛筆の肌色の表記を「ペールオレンジ」に変更しました。
ペールオレンジにした理由
なぜ、「うすだいだい」ではなく、「ペールオレンジ」というカタカナ表記にしないのでしょうか?
海外では、肌色とされている色は、「ペールオレンジ」と呼ばれています。
また、ぺんてるは、海外でのシェアが高いため、海外の呼び方に合わせてこの表記にしたとされています。
幸いにも、会社ごとに「うすだいだい」と「ペールオレンジ」のように呼び方が違ったとしても、わかりづらい!などの声は出ていないそうです。
トラブルがなければ問題ないですね。
肌色が言い換えられた理由、なぜ呼ばれなくなったのか
まずは、なぜ「肌色」と、呼ばれなくなったのか?
この理由について説明していきます。
それは「人種差別になる可能性がある」ためです。
日本では、肌色といったら全員が同じ色を連想するため何の問題もなく会話が成立します。
しかし、外国に目を向けるとどうでしょうか?
外国では肌色と言っても人種によって変わります。
黒人の人は黒、白人の人は白、アジア人は黄色など様々です。
ゆえに、肌色と言っても、1つの色に定められないので、誰にでも伝わるわけではありません。
なので、肌色は「この色だ!」と決めてしまうのは、肌の色が違う人のことを否定してしまう表現になってしまう可能性があります。
問題となった例として、
肌色はいつ言い換えられて、言われなくなったのか
肌色の呼び方が変わったのはいつ頃でしょうか?
絵の具やクレヨンなどの販売をしている「ぺんてる」という会社は、1999年の9月の生産分から「はだいろ」の表記をやめています。
「教育の場から肌色の色を限定的に決めてしまうのは、どうなのか?」という意見が出てきたこともあり、名称を変えるという決断に至ったそうです。
時代に合わせて変えていく決断力は、すばらしいですね。
このほぼ同時期に、他の会社も名称をどんどん変えている印象があります。
そして最終的に、2005~2006年には、ほぼ完全に「肌色」という呼び方はされなくなりました。
肌色の言い換えは日本だけ?海外での肌色の呼び方
日本という島国でも、肌色の呼び方問題が発生しているので、海外でもこのような問題は発生しているのでしょうか?
例えば、アメリカでは日本よりも早い、1962年に肌色にあたる「flesh」が、「peach」という名称に変わっています。
「flesh」は「肉色」と訳されます。
つまり、鶏肉のような色になります。
白人の肌色の印象がありますね。
一方、「peach」は桃色ではなく、「桃の果実の果皮の色」に由来しているそうです。
肌色の言い換えの情報まとめ
ここまでの内容をまとめます。
「肌色」と呼ばれなくなった理由は
- 人種差別になる可能性がある
からです。
「肌色」の呼び方が変わり始めたのが、1999年頃であり、2005~2006年にほぼ「肌色」とは呼ばれなくなりました。
「肌色」に代わる呼ばれ方は
- うすだいだい
- ペールオレンジ
の2種類になります。
呼び方が2種類になっても、わかりづらいなどのトラブルは出ていないらしいです。
海外に目を向けてみると、アメリカでは、1962年に「flesh」から「peach」に呼び方が変わっています。
今回は「肌色」の名称について説明してきました。
呼び方が、時代の流れによって、変わっていくことがわかる1つの例でした。
もしかしたら、またどこかのタイミングで変わることかもあるかもしれませんね