プリンセスプリンシパル Crown Handlerが公開されましたね。
この記事ではプリンセスプリンシパルについての評価や感想を書いています。
東西に分裂した王都ロンドン。
その深い霧の下で、少女スパイたちの熾烈な諜報戦が繰り広げられていた!
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「プリンセス・プリンシパル」あらすじや感想評価を知りたい!
重力を制御できる新物質「ケイバーライト」の開発に成功し、
無敵の空中艦隊を産んで、世界を制したアルビオン王国で革命が起きた。
その結果、王都ロンドンは東西に二分され、極端に反動化した王国(東)側は、
革命勢力が制する共和国(西)側との間に、文字通りの壁を築いた。
こうして産まれた分断都市ロンドンは共和国・王国のみならず、
各国の諜報機関・軍部がしのぎを削る、スパイたちの暗闘の場となった。
そんな折、王国にある名門「クイーンズメイフェア校」に通う5人の女子高生。
彼女たちもまた、共和国の諜報機関「コントロール」のスパイだった……。
「プリンセス・プリンシパル」のキャラクター
・アンジェ
「コントロール」のスパイ。養成所では主席だった天才で、チームのエース。普段は無表情で無愛想、突拍子もない嘘をついて、周囲を困惑させることもある。プリンセスと瓜二つの容姿を持ち、それを利用してプリンセスと入れ替える「チェンジリング作戦」のために、彼女に接近した。
・プリンセス
第四位の王位継承権を持つ、アルビオン王国の王女。にもかかわらず接近してきたアンジェらと手を組み、共和国側のスパイとなる。その背後には、彼女とアンジェしか知らない、とんでもない秘密があった……。
・ドロシー
アンジェの相棒を務める「コントロール」のスパイ。チームの最年長で、スパイとしては様々な技能を持ち、ときにその肉感的な容姿を駆使してハニートラップを仕掛けることもあるが、意外と純情。
・ベアトリス
下級貴族の娘で、プリンセスの友人兼侍女として、ともにメイフェア校に入学。プリンセスを敬愛していて、「コントロール」に加盟した彼女に戸惑いながらも付き従った。マッドサイエンティストだった父親に人口声帯を埋め込まれていて、人の声のみならず、機械音までコピーできる。
・ちせ
日本からやってきた留学生。暗殺者の家系に生まれ、剣術の達人。その白兵戦での戦闘能力はチームの中でも最強である。「コントロール」とは協力関係にあるが、日本の政府筋からは共和国と王国、どちらにつくほうが有利が見極めるよう指示を受けている。
・L(エル)
沈着冷静な「コントロール」のリーダー。
・7(セブン)
「コントロール」の情報分析官。
・ドリーショップ
「コントロール」のエンジニア。技術担当で武器や道具の開発に携わる。
・大佐
軍から「コントロール」に派遣されている人物。スパイを軽んじているらしい。
・ノルマンディー公
「コントロール」と敵対する王国側の諜報機関の元締め的人物。内務卿の地位にあり、公安・警察等への影響力を駆使して暗躍する。女王に対しても助言ができる立場にあり、プリンセスのことは敵視している。
・ガゼル
ノルマンディー公の秘書。任務に際しては冷酷で非情。
「プリンセス・プリンシパル」はおもしろい、つまらない? 評価点
80点/100
評価ポイント
・エスピオナージュ
・女子高生
重力遮断物質ケイバーライトの発明により、世界を制したものの、革命が起きて、東西に分断する巨大な壁が気づかれたロンドン――この設定を聞いただけで嬉しくなる人はそれなりにいるはずです。
そういう人にとっては、物質の名前がケイバーライトなのもポイントが高いでしょう。元ネタは言うまでもなくH・G・ウェルズの「月世界最初の人間」。こんなところまで神経を行き届かせることで、スチームパンクの評価は変わってきますから。
一方、残念な所はアルビオン王国が大英帝国ではないこと。プリンセス、革命と続きますから現実と地続きにはできないのでしょうが、おかげで虚実皮膜に遊ぶわけには行かない。
アンジェたちの前に例えば、ベイカーストリートの諮問探偵が立ちふさがる、なんてのがスチームパンクの楽しみだったりするんですが。
アンジェたち、五人の少女はスパイです。というわけでエスピオナージュ。
それも冷戦終結以降に生み出された、ひたすら薄汚くて没義道な、糞リアリズムのスパイ物語じゃありません。クールな見た目の下に過度なセンチメンタリズムを押し隠した、ロマンチックなスパイ幻想の世界です。
チャンドラー流のハードボイルドやフレンチノワールが好きな人には多分大好物です。
キャラクターの原案は時雨沢恵一作品のイラストなどで知られる黒星紅白氏。オリジナルのイラストを活かすためにキャラの設定を変えた(ちせを左利きにした)なんてこともあったそうです。萌度も胸も控えめ(胸はドロシーを除く)で、おそらくはかっこよさを重視したデザインです。
サービス過剰というか、あなたたちはこういうのがお好きなんでしょう的キャラが好きな人には物足りないかも知れませんが、逆にその手に食傷気味な人にはおすすめです。
「プリンセス・プリンシパル」のあらすじの評価
スパイ養成所を優秀な成績で卒業したアンジェが、クイーンズメイフェア校に転校してきた。カバー(偽の身分)は植民地出身のドジっ子。
実際はその瓜二つの容姿を利用し、同校に在籍しているプリンセスと入れ替わる「チェンジリング作戦」を実行するためだった。
ところが作戦決行の日、アンジェらの正体をどうやってか見抜いたプリンセスは、彼らに取引を申し出る。王国を変えるために女王になりたい、だから協力を、と。
こうして王国のプリンセスが、対立する共和国のスパイになると、奇妙な状況が出来上がる。プリンセスとその友人の二人を加えた女子高生スパイたちは、次々と任務を果たしていくのだが……。
上に記したのは物語全体を貫いて流れるストーリーで、実際にはほぼ一話完結の形で、個々のミッションに五人が挑むというエピソードが続きます。
時系列をバラバラにして、メンバーが集まっていく過程を後に回し、五人が揃った状態で第一話を始めた(第一話のサブタイトルには「CASE13(十三番目の事件)」とあります)りとか、全体の流れより、個々のエピソードの方を楽しんでほしいということなんでしょう。個々のエピソードを評価するなら、スタイリッシュだけれど、けれど少し甘めでハードさはそこそこという感じでしょうかね。
それと劇場版の公開が決まっているので、自明でしょうが、全体としてのお話は中途半端なところで終わってしまいます。元からそのつもりだったんでしょうね。
アニメ「プリンセス・プリンシパル」の声優評価
アンジェ役の今村彩夏さんが声優を引退されてしまったのが、大きなトピックでしょうか。コロナ禍で公開時期が未定になってしまった劇場版では「かぐや様は告らせたい」の四宮かぐや役が有名な古賀葵さんに引き継がれたようです。
本作のように少女の集団をメインにしたお話(少女戦隊モノ?)では、その子達を新人声優さんで固めるケースは多いのですが、本作では脇のキャラクターまで、いわゆる有名声優さんの出演がほとんどないという、変わった編成になっています。
・アンジェ
今村彩夏さん
代表作品「たくのみ。(天月みちる)」「三者三葉(葉山照)」
・プリンセス
関根明良さん
代表作品「魔法少女特殊戦あすか(夢源くるみ)」「ケムリクサ(りょく) 」
・ドロシー
大地葉さん
代表作品「ゼロから始める魔法の書(アルバス)」「アイドルタイムプリパラ(虹色にの) 」
・ベアトリス
影山灯さん
代表作品「神ちゃんドロップキック(単眼ちゃん)」「春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない(日南子)」
・ちせ
古木のぞみさん
代表作品「ばらかもん(山村美和)」「それが声優!(紺野あおい) 」
・L(エル)
菅生隆之さん
代表作品「ヴィンランド・サガ(スヴェン王)」「キャロル&チューズデイ(シュバルツ)」
・7(セブン)
沢城みゆきさん
代表作品「ルパン三世(峰不二子)」「化物語(神原駿河) 」
・ドリーショップ
本田裕之さん
代表作品「OZMAFIA!!(ドリアン・グレイ)」
・大佐
山崎たくみさん
代表作品「Fate/Zero(ケイネス・エルメロイ・アーチボルト)」「咎狗の血(ナノ) 」
・ノルマンディー公
土師孝也さん
代表作品「されど罪人は竜と踊る(モルディーン)」「宇宙戦艦ティラミス(ヴェンチュリー・ルロワ) 」
・ガゼル
飯田友子さん
代表作品「アイドルマスター シンデレラガールズ(速水奏)」「アイカツスターズ!(デイジー)」
アニメ「プリンセス・プリンシパル」の主題歌の評価
OPは疾走感のあるロックチェーン。全編英語詞で実にパワフル。
EDは声優五人組による穏やかなナンバー。これも英語詞です。
・The Other Side of the Wall
Void_Chords feat.MARU
・A Page of My Story
アンジェ(cv.今村彩夏)/プリンセス(cv.関根明良)/ドロシー(cv.大地葉)/ベアトリス(cv.影山灯)/ちせ(cv.古木のぞみ)
「プリンセス・プリンシパル」の試聴した感想とネタバレ
ロマンティックなスパイ・アクションなんて、所詮はおとぎ話です。その上、本作の場合はお姫様スパイですからね、本来ならリアリティなんてクソ喰らえの世界です。
でも「プリンセス・プリンシパル」は意外と血に足がついている。
それを支えているのはキャラクター、例えばアンジェでしょう。
少女戦隊モノの多くでは、少女たちは人を殺しません。戦う相手はたいていグロテスクなモンスターで、話すこともない。そりゃあそうでしょう、人を殺したその後で、キャッキャウフフをやってるキャラなんて、どう見たってサイコパスです。
けれども「プリンセス・プリンシパル」はクールなスパイ・アクションですから、そうはいかない。ですからアンジェは人を殺す、殺せるキャラクターです。つまり人として壊れたところのあるキャラクターです。それをそういうものとして描写されている。
もうひとり、プリンセスもアンジェと同じくらい壊れた人間です。そうした人物描写がこの荒唐無稽なお話を世界につなぎとめるアンカーになっている。
だから「プリンセス・プリンシパル」はクールでスタイリッシュなスパイ・アクションでいることができるわけです。
見た目で騙されがちですが、「プリンセス・プリンシパル」は、実はかなりハードな世界観を内包したお話なのです。その分、少女戦隊モノの多くが持つ明るさや、楽しさはかなり控えめなわけで、このあたりが評価の分かれ目だと思います。
「プリンセス・プリンシパル」の評価が高いおすすめポイント
POINT・アンジェとプリンセス
・伏線とその回収
・遊びゴコロ
一つずつ解説します。
アンジェとプリンセス
お話の軸はこの二人の関係性です。百合とでも友情とでも、形容できますが、コの二人の関係はかなり特異なものです。ネタバレになるので、ここでは明かしませんが、切っても切れない絆とはこのことです。
その関係性故に、一筋縄ではいかないところのある、二人の互いを思う心が、物語に重層性を産んでいます。単に任務を果たす以外の(かなり入り組んだ)目的が二人にはある。ストレートに言えば、例えばアンジェにとっては、プリンセス以外のことは全部まとめてどうでもいいのです。
伏線とその回収
アンジェとプリンセスの出会いは第二話で描かれます。各話の展開が時系列に沿っていないので、物語的には冒頭に当たる、この出会いは実は再会なのですが、ここで二人はどことなく噛み合わない、奇妙な会話を交わす。
その意味が明らかになるのは、実は八話になってからです。ここで描かれる、幼かった頃の二人の本当の出会い。二話での二人の会話はこのときの会話の再現だったのです。
これどれくらいの視聴者が気づいたかなという感じですね。
恥ずかしながら筆者は初見ではてんで気づかず、二話をあとになって再視聴してして、これ絶対、ほんとの出会いの場の再現だとようやく気づいた次第。
「プリンセス・プリンシパル」はこの手の伏線があちこちに張り巡らされてるので、自力で回収するのも楽しいと思います。
遊びゴコロ
注意:これから第一話のネタバレをしますので、知りたくない人はどうかこの項目は飛ばしてください。
ここでアンジェたちはある青年を西側に亡命させる任務を負います。この青年はいい人でアンジェも彼に心を開くようになるのですが、実は彼は二重スパイ、裏切り者で彼女は彼を射殺することになります。
言うまでもなく、これは『マルタの鷹』以来、何万回となく繰り返されたハードボイルドのクリシェ「美貌の(あるいは本当にいい人の)依頼人は裏切る」です。
これ絶対わざとやってると思うんですがね。こういう遊びゴコロはやっぱり楽しい。
「プリンセス・プリンシパル」のあらすじ、感想、評価情報まとめ
最後にもう一度終末のイゼッタのあらすじや感想、評価の情報をまとめると
・スチームパンクな世界観
・百合
・スタイリッシュなスパイ・アクション
になるでしょうか。
造ってる側が楽しそうな話はやっぱり楽しい。