主人公・霧慧(きりえ)トァンの友人・御冷(みひえ)ミァハは高校生の頃に自殺してしまう。
しかし、ある事件でミァハは生きていると確信し、その真相を確かめるべくトァンは一人で立ち向かう。
この記事では劇場版アニメ「ハーモニー<harmony/>」についての以下のことがわかります。
・ハーモニーの声優をおさらいしたい
・ハーモニーの感想や評価が知りたい
コアなファンが多い伊藤計劃の小説の魅力について深みにハマってください!
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「ハーモニー<harmony/>」を見る前に押さえておきたいポイント
「ハーモニー<harmony/>」を見る前に、「Project Itoh」について知っておいたほうが数倍楽しむことができます。
「Project Itoh」とは、夭折の作家・伊藤計劃の小説を3部作連続劇場版アニメとして公開する一大プロジェクトです。
「屍者の帝国」から始まり「ハーモニー」、「虐殺器官」と続きます。
「ハーモニー」は「虐殺器官」に続く世界となっているため、詳しく知りたい!という方は「虐殺器官」から見るのがおすすめです。
劇場版アニメ「ハーモニー<harmony/>」ネタバレなしの考察ポイント
考察するべきポイント
・近未来的な世界観なのにのめり込みやすい
・見終わった後、もう一度初めから見直したくなる
近未来的な世界観なのにのめり込みやすい
この作品は少し特殊な近未来の世界を描いています。
現実には有り得ない装置が登場しますが、それを細かく作中で説明してくれるので先程いった「虐殺器官」を見なくても楽しめます。
見終わった後、もう一度初めから見直したくなる
作品は真っ白な部屋から始まります。
そこではプログラミングのように英語が並べられ、伏線のような単語がいくつか目に入りますが、意味の想像はつきません。
ですが物語を経て、終わりにはその部屋の意味が分かります。
最後を見てやっと全てがつながる、そんなアニメです。
手探りのような状態で見るからこそ、終わりには余韻が長く続き、2度目には最初見たのとは違う印象を得る箇所も多いのではないでしょうか。
劇場版アニメ「ハーモニー<harmony/>」のネタバレと考察、あらすじの解説
ハーモニーのあらすじ
高度な医療経済社会が築かれた世界、人々は健康・幸福であることが義務とされており、政府の監視内ではウォッチミーを体内に埋め込まれている。
ウォッチミーとは、ナノマシンであり、主人公・霧慧(きりえ)トァン高校生の頃、同級生で賢く、健康・幸福な社会を憎悪していた御冷(みひえ)ミァハと友達であった。
ミァハの考えに共感し、友人の零下堂(れいかどう)キアンと共に自殺を図るが、途中でキアンが政府に密告したため失敗し、ミァハだけが死んでしまう。
13年後、WHO螺旋監察事務局の上級監察官として、政府の監視の行き届いていない辺境や紛争地帯で活動していた主人公・トァンは、戦場で政府が禁止する飲酒・喫煙を行っていた。
そのことが上司に見つかり、謹慎として生まれ育った日本に送還されてしまう。
日本に戻ったトァンはキアンと再会し昼食を共にするが、そこでキアンは「ごめんね、ミァハ」という言葉を残して自殺する。
同時刻に世界中で6,582人の人々が一斉に自殺を図る「同時多発自殺事件」が発生しており、螺旋監察事務局が捜査に当たることになった。
死んだミァハが生きていると確信し、事件に関係していると考えたトァンは、ミァハの遺体を引き取った冴紀ケイタの元を訪れた。
劇場版アニメ「ハーモニー<harmony/>」の声優と主題歌についての考察
ハマり役の声優の方が多く、主題歌共に世界観と良くあっています。
・霧慧トァン 沢城みゆきさん
代表作「ルパン三世 THE FIRST」峰不二子
「エヴァンゲリオン新劇場版Q」鈴原サクラ
・御冷ミァハ 上田麗奈さん
代表作「ばくおん!!」佐倉羽音
「ReLIFE」小野屋杏
劇場版アニメ「ハーモニー<harmony/>」の主題歌の
「Ghost of a smile」
EGOIST
劇場版アニメ「ハーモニー<harmony/>」の試聴したネタバレと考察(感想メイン)
劇場版アニメ「ハーモニー<harmony/>」を見た感想は、大衆ウケはしないまでも、コアなファンが存在するであろう映画だなというものです。
近未来的な世界観と、安全ながらも閉塞感のあるウォッチミーという設定の中、本当の自由とはなにか、善とは何かを考える主人公、そしてミァハはとても魅力的なキャラクターだと思いました。
このウォッチミーが存在する世界では、安心と安全を強制されている中、子供たちの自殺者数は年々増えているといった話があります。
そのシーンで私はこの「ハーモニー<harmony/>」の世界が身近に存在するかのようなリアリティを味わいました。
他にも、主人公のトァンが健康で幸福に暮らすキアンに抱く気持ちなど、言葉には表せない程に生々しく表現されているシーンが多くあり、映画が終わったあとには、胸にズッシリくるような余韻が長く残りました。
劇場版アニメ「ハーモニー<harmony/>」の魅力とは、キャラクターや社会など、高いクオリティで描かれる世界観だと思います。
しかしそれとは別に、見る人見る人によって受け取り方が変わるであろうという事も、魅力の一つでしょう。
特に最後の、トァンがミァハを撃ち殺したシーンは、沢山の受け取り方があると思います。それが愛だと思う人もいれば、罪滅ぼしだとか、決別だと思う人もいるでしょう。
これは感情の読めないミァハというミステリアスなキャラクターと、欲求や意志がないということが有り得る世界観が織り成す神秘なストーリーです。
劇場版アニメ「ハーモニー<harmony/>」は、まさに不思議な調和の映画だといえるでしょう。
劇場版アニメ「ハーモニー<harmony/>」のネタバレと考察したポイント
※ここから結末のネタバレまであります。
・「ごめんねミァハ」
・隠れた家族愛
一つずつ解説します。
「ごめんね、ミァハ」
この言葉は作中の中で何回も出てきます。主人公のトァンはミァハを一人で先に逝かせてしまったことをいつも後悔しており、13年間過去にずっととらわれて生きていました。
13年前の自殺計画が失敗に終わってしまったのは自分のせいだと告白しながらも、健康・幸福な社会に従事しているキアン。
そんなキアンも「ごめんね、ミァハ」と繰り返しながらナイフを首に刺し自殺してしまいます。
このセリフはミァハの影響力や存在を大きく示しているといえるでしょう。故に、この作品を知れば知るほど、セリフの意味が肥大化していくように感じます。
隠れた家族愛
13年前死んだと思っていたミァハが生きていると確信したトァンは、ミァハの遺体を引き取ったのは誰かを探し始めます。そして辿り着いたのは実の父親でした。
トァンにとっての父親は、自分や母を捨て、研究を取ったろくでなしの親でした。トァンは父、ヌァサが一連の自殺事件に関わっていると思っていましたが、話を聞くことによってその誤解は解け、ハーモニープログラムを知ることになります。
その後、トァン達は自殺事件に関連のある組織に所属している男に狙われ、ヌァサはそれを庇って撃たれてしまいます。
その時に、「父親らしいことをしたかった」と言って死んだヌァサを見るトァンの心中は如何程だったか、深く考えさせられるシーンです。
劇場版アニメ「ハーモニー<harmony/>」のネタバレと考察感想などの情報まとめ
最後にもう一度「ハーモニー<harmony/>」のあらすじや感想、評価の情報をまとめると
・コアなファンが存在する作品
・近未来的ながらもリアリティのある世界観
・ジレンマを抱える主人公
ここまで「Project Itoh」の「ハーモニー<harmony/>」の評価を見ていただきありがとうございます。この記事の始めにもあったように、「屍者の帝国」から続く三部作となっているので、ぜひ他の作品も合わせて見てください。