残念至極! やらかした? SF大作「BEATLESS ビートレス」ってほんとにダメだったの?
この記事ではそんな方のために
・あらすじや、声優をおさらいしたい
・結局なにがダメだったの?
このような疑問にお答えします。
人工知能が技術特異点(シンギュラリティ)を越え、人類の知能を凌駕する超高度AIとして存在し、人型ロボット(hIEと称される)が街で普通に労働力とされる近未来。
世界最大のhIE企業ミームフレーム社の研究所から5体のhIEが脱走する。それらは超高度AIによって産み出された、今の人類の理解を超えたモノ=人類未到産物(レッドボックス)だった。彼らが引き起こしたハザードの最中、その一体レイシアと普通の少年アラトは出会う……。
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「BEATLESS ビートレス」の評価と感想 登場人物
評価の高い本格SF小説を原作に、放映前から2クールでの制作が決まっていたことなど、高かった期待を裏切って、大コケしたと言われるビートレス。
その評価は正しいのでしょうか?
この作品のいったい何が期待されて、何が残念だったのか、あなたの目で確かめてみませんか?
主な登場人物
・レイシア
超高度AIヒギンズによって産み出された人類未踏産物・レイシア級hIE5体のうちの一つ。
女性として完璧な容貌と分散コンピューティングによる、超高度AIに匹敵する演算能力を持つ。「人間に未だ明かされざる道具」。
・遠藤 アラト
AI研究者の父を持つ、普通の高校生。脱走したスノウドロップが引き起こしたハザードに巻き込まれたところをレイシアに救われて、彼女のオーナーとなる。
自他共に認めるちょろい性格で、自分がレイシアに「アナログハック」されていることに気づいても、それを受け入れてしまう。
・海内 遼
アラトの友人。ミームフレーム社の創業者一族の長男。どれほどAIが進化しようと、最終的な決定権は人が握らなければならないという固い信念の持ち主。
・村主 ケンゴ
アラトの友人。定食屋の息子だが、hIEを嫌っていて、hIEに対する破壊活動を行うテロ組織「抗体ネットワーク」に密かに参加している。
・メトーデ
脱走したレイシア級hIE5体のうちの一つで、最強の性能を誇る「人間の拡張としての道具」。レイシアを敵視する。
・スノウドロップ
脱走したレイシア級hIE5体のうちの一つで、「進化の委託先としての道具」。幼い少女の容貌を持ち、他の機械を操って取り込む能力を持つ。
アニメ「BEATLESS ビートレス」の評価点
45点/100
評価ポイント
・ひと味ちがう美少女バトル
日本SF大賞の候補にも選ばれた、長谷敏司さんのSF小説「BEATLESS」を原作にする本作。
原作は美少女型アンドロイドの異能バトルという派手派手しい部分はあるものの、軸は機械(モノ)が人を超えてしまったら、人はどのように振る舞うべきか(あるいは人にはどんな選択肢が残されているか)を倫理的、社会学的に考察する作品のようです。
アニメが時に過剰に思えるほど罵倒されるのは、そうした原作の思弁をうまくアニメという表現に落とし込めなかったからでもあるようです。
確かにビートレスは、登場人物が講義口調で延々話す場面がやたら多い作品です。
けれども多少不器用ではあっても、原作のテーマをアニメに取り込もうとする姿勢はそれなりの評価されてもいいでしょう。
そうしたテーマのひとつに「アナログハック」があります。これはたとえばかわいいと思う相手には判断が甘くなってしまう、というような人の当然を、意識のセキュリティホールへのハッキングというコンピュータのアナロジーで説明しようとするものです。
このアイデアを最初に目にしたとき、著者はちょっと感動してしまいました。
提示の仕方は少し不器用ですが、ビートレスには本格SFらしい尖ったアイデアが散りばめられています。これが本作の最大の魅力でしょう。
美少女型アンドロイド(レイシア級hIE)のバトルは本来、アニメならでは見せ場であるはずです。
正直作画は残念なので、絵的な迫力に満ちているとは言えませんが、いろいろ小ネタが多くてかなり楽しい。
たとえばやたらと疑似科学的な説明が出てきます。
一話でレイシアはスノウドロップの攻撃を無効化して、アラトを守るのですが、その際、特定の波長に対して透明化することによって通信を遮断しました的な説明を丁寧にしてくれます。
これだけでニヤニヤしてしまう人はいるはずで、そういう人にはビートレスのバトルはなかなか楽しい。
他にもこの作戦は法的見地から見て可能か? なんて議論をバトルの最中に延々したりします。
レイシアの、金で雇った傭兵の力を借りて窮地を逃れるなんていう、主人公にあるまじき振る舞いもありました。
ツイスト満載のバトルシーンは意外とお勧めです。
ビートレスの残念なポイント
・アメーバ
・各週放送
・ひたすらめんどくさい主人公たち
・アホガール
作画は最初から不安定でした。作画崩壊まではいかないものの、かなりな低空飛行を続け、二話では、多くの視聴者が「アメーバかよ」と突っ込んだ謎描写を見せてくれます。
制作の遅延もひどかったようで、総集編4回(!)だけでなく特番まで放送される始末。
当然本編を最後まで放送できなくなって、あと4話のところで、いったん放送は終了。
この4話は「Final Stage」として約半年後に放送されました。「Final Stage」の評判がよかったことはせめてもの慰めですが、ビートレスの評価がさんざんなのはこのドタバタ騒ぎが大きく響いているようです。
お話の方に目を向けると主人公たちの残念ぶりが目に付きます。物語の中心になる男子高校生トリオは、そろって視野の狭い石頭で自分の信念みたいなものにしがみつくタイプ。
最悪なのは主人公のアラトで、自分は無力なくせに、薄っぺらな理想論めいたことを言い出すと聞かない。あげくレイシアに頼ってなんとかしてしまう。視聴者をいらだたせることを目的にしたようなキャラクターです。
男子三人にはそろって妹がいるという設定で、硬派で取っつきの悪いストーリーには潤いを添えよう
という制作側の意図が想像できますが、むしろ逆効果でした。ことにひどかったのがアラトの妹のユカ(CV.小野沙希さん)です。
「バナナうめ~」とか言い出してもおかしくないキャラで、さすがに浮き上がっていました。
アニメ「BEATLESS ビートレス」のあらすじの評価と感想
スノウドロップが巻き起こしてハザードからレイシアに救われたアラトは、彼女のオーナーとなる。
アラトの元で暮らし始めたレイシアはモデルとして活動を始め、人間社会を「アナログハック」しようと試みる。
けれどレイシア級hIEの一体紅霞に唆されたケンゴはテロ活動に深入りしてしまい、アラトは彼を救うためにレイシアの力を借りる。
更にレイシアをメトーデが襲撃、スノウドロップは独自の破壊活動を再開する……。
美少女型アンドロイドのバトルものだと思ってると当てが外れます。
素直にレイシアを攻撃してくれるのはメトーデくらい。残り3体のhIEや他の登場人物もそれぞれ独自の目的があって、勝手な活動をします。
そのせいもあって、なんとも要約しにくいストーリーです。そのこと自体は、評価したいと思います。
アニメ「BEATLESS ビートレス」の声優評価
遠藤 アラト役の吉永拓斗さんなど若いキャストや声優経験の浅いキャスト(海内 紫織役の佐武宇綺さんなど)が多めに起用されているのが目に付きます。
それ自体は必ずしも悪いことだとは思いませんが、作品の評価には良い影響を与えなかったようです。
・レイシア
東山奈央さん
代表作品「ゆるキャン△(志摩リン)」 「神のみぞ知るセカイ(中川かのん)」
・遠藤 アラト
吉永拓斗さん
代表作品「DAYS(柄本つくし)」 「魔入りました!入間くん(アガレス・ピケロ)」
・海内 遼
石川界人さん
代表作品「残響のテロル(ナイン / 九重新)」 「終わりのセラフ(君月士方)」
・村主 ケンゴ
山下大輝さん
代表作品「弱虫ペダル(小野田坂道)」 「Re:CREATORS(水篠颯太)」
・メトーデ
雨宮天さん
代表作品「アカメが斬る!(アカメ)」「東京喰種トーキョーグール(霧嶋董香)」
アニメ「BEATLESS ビートレス」の主題歌の評価
2 クールでしたので、OP/EDも二組あります。
どちらもオープニングは疾走感のあるダンスチューン、エンディングは癒しの感じられるナンバーで、佳曲がそろってると思います。
・Error GARNiDELiA
・PRIMALove ClariS
・Truth. TrySail
・Shapeless 東京パフォーマンスドール
アニメ「BEATLESS ビートレス」の試聴した感想とネタバレ
見返してみるまで、つまらない作品だと思っていました。視聴後の感想は思っていたよりずっと面白い。
ですが、なんともいらだたしいに変わっていました。結局、美質はある、けれどそれをスポイルしてしまう部分も、それ以上に目に付くという感じです。
いらだたしい点はまず作画のまずさであり、とてもヒト型ロボットが普通に存在する社会には見えない、チープな未来都市の描写であったり、残念すぎる主人公たちの言動です。
ことにアラトたちはめんどくささはかなりの破壊力があります。けれど、それもヒトを超えたモノが産まれたときの、 ヒトの振る舞いの典型をそれぞれ背負わされてるんだと思えば、見方が変わるかも知れません。
「BEATLESS ビートレス」の評価が高いと思うおすすめポイント
・ガジェット
一つずつ解説します。
ディスカッション・ドラマ
ビートレスの登場人物たちの多くはいろんな思想や立場の擬人化でもあります。
彼らはそれぞれの立場の傀儡として、いろんな主張をする、(あんまりかみ合わない)対話をする。演説口調や講義口調で延々しゃべってばかりのシーンが続くことはアニメとしていいことではないでしょう。
もう少しどうにかできなかったのかなと感じることはあります。けれども、その対話の中に拾い集めれば光るアイデアが散りばめられているのは確かです。
ガジェット
レイシアの武器は量子コンピュータで、分散コンピューティングが可能。
彼女はその力を使ってネットワーク上から余っている計算リソースをかき集め、超高度AI並の計算能力を得ることができる。
敵はと言えば、ネットワーク上で大きなイベントを起こして、計算リソースを浪費させて、レイシアの力を削ごうとする。こんなのがビートレスのバトルです。
普通のアニメではあんまり見られないバトルであることは確かです。
「BEATLESS ビートレス」のあらすじ、感想、評価情報まとめ
この文章を書くのに、グーグルで「ビートレス」を検索してみたのですが、その時に返ってきたの検索ワードには頭を抱えました。
「ひどい」はまだしも「くそアニメ」とまで出てきたので。作品のできに問題があっても、「くそアニメ」なんて言葉、使って良い言葉だとは思いません。
検索の結果、出てきた評価はそこまでひどいものではなく、高い評価をしている方も案外と多くて、安心しました。
確かにいろいろ残念な点が目につく作品ではありますが、随所に光るところがあって、「ダメ」じゃなく「残念」と言いたくなるタイプの作品です。
お話の中で、生煮え気味に放り出されているようなアイデアや設定を、丁寧に読み込んでみれば実は味わい深い作品なんじゃないかと思います。